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CDの販売によって得られた収益金の一部は、霧笛の学術調査などの費用として使われる予定です。
CD内容の詳細

犬吠埼灯台の霧笛について

犬吠埼灯台霧笛舎
2008年3月12日撮影
 海終わり陸始まるところ犬吠埼。明治初年に英国人ブラントンが設計した美しい白亜の灯台の傍らには、2008年3月末日をもって廃止された霧信号所(霧笛)がひっそりと余生を送っています。犬吠埼霧信号所は、明治43年(1910)に運用が始って以来霧や吹雪などで視界が1海里(1853m)以下になると、船舶に対し信号所の方位を知らせるため霧笛を30秒間隔で5秒間鳴らし続けてきました。さすがに五里霧中の船舶が頼みにした霧笛も、近年の船舶レーダーやDGPSなど補完技術の進歩や灯台の完全無人化もあって、ついに100年の歴史に幕を引くことになったのです。特筆すべきは、犬吠埼の霧笛は日本に現存する唯一のエア・サイレン式という貴重なもので、まず原動機とコンプレッサーで圧縮空気を作り、一旦これを数基の大型タンクに蓄え、次ぎに決められた周期で勢いよく吹鳴器(サイレン)に圧縮空気を送り込んで発音させ、屋上に突き出た巨大なラッパから霧深い海に向けて大音響を放つという仕組みでした。この時代物の扱いにくい機械装置が、明治の面影をそのまま残す全鉄製のカマボコ形霧笛舎とともに、つい最近まで現役として立派に稼働していたのは、実に多くの人々の努力に支えられてのことでした。私たち犬吠埼ブラントン会はいま、これら先人の労苦に思いを致し、深く敬意を表するとともに、「失われた音」の保存や専門家による霧笛舎の学術調査を実現させ、霧笛の文化を後世に伝え残していきたいと考えています。
霧の灯台と霧笛のラッパ
霧信号:
エアーサイレン
5秒吹鳴30秒停止
(2008年3月31日終止)

犬吠埼(銚子)という場所と霧


 銚子は海に突き出した半島になっていて、北側には鹿島灘、南側には九十九里浜がつづく先端部分にあたります。そして、利根川が海に流れ込む場所でもあります。黒潮(暖流)と親潮(寒流)がぶつかりあう近くでもあり、そこに利根川の真水が流れ込むといった複雑な自然環境にあると言って良いでしょう。
 梅雨のころになると海水の温度が上がり、反対に利根川からは雪解けの冷たい水が海に多く流れ出るようになります。 この結果霧が発生しやすく、おりから季節風となる東風に押されて、犬吠埼近辺では霧の濃い日が多くなります。
 銚子の海は岩場が多く、航路を誤ると座礁などの海難事故が発生します。 霧が出ると船舶は自己の場所の判断が難しく、霧笛の「音」による犬吠埼灯台の位置の確認が欠かせないものでした。
霧笛舎内 動力装置
空気を圧縮するための動力装置。
左側が燃料によるエンジン式のもの、右側がモーターによる電気式のものです。
奥に圧縮した空気を蓄えるタンクが配置されています。
圧縮された空気はパイプを使って発音部に送り込まれ、発音体を回転させ、スリットを通り抜けるときに音となってラッパを鳴らします。

霧笛の発音体
霧笛の発音体です。
下側のスリットが入った筒が回転して音を発します。
上側には「ガバナー」と呼ばれる
一種のブレーキが入っていて、回転が一定以上になるのを抑えて、音程を整えていました。
(実際の取り付けはこの写真の上下がさかさまになっています。)
霧笛の発音口(ラッパ)
霧笛の主要部分
発音体の回転によって作り出された音がラッパに送られます。
こうしたエアサイレン式の霧笛は、日本では犬吠埼灯台の霧笛だけでした。
灯台の上から見下ろした霧笛舎
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